シャンパーニュ地方のお菓子ビスキュイ・ド・ランス

毎月一品フランス地方菓子をお届けしています。

2010年11月のフランス地方菓子
シャンパーニュ地方のお菓子
ビスキュイ・ド・ランス
シャンパンに浸して楽しむ、 おしゃれなビスキュイ・ド・ランス

シャンパンはフランス人にとって佳き日に欠かせない飲み物
シャンパン(シャンパーニュともいい、シャンパーニュ地方で穫れた特定のぶどうの品種を使い、特定の製法に従って作られた発泡性ワインのみをいいます)は、グラスの中で立ち上る泡が喉を通り過ぎ、心地よく酔い、他のどのお酒とも違う享楽にふけることができるようです。フランスではちょっとしたお祝いや、パーティーなどではよくシャンパンが登場します。そのときに一緒につまむお菓子として、シャンパンで有名なシャンパーニュ地方のランスが名物のお菓子を作りました。それが「ビスキュイ・ローズ・ド・ランス」です。パリからTGVで45分で行けるランスは、シャンパーニュ地方の最大の都市(ただし地域圏首府でも県庁所在地でもない)。かってフランス国王の戴冠式が行われた、世界遺産にも指定されているノートルダム大聖堂があり、シャンパン醸造の一大中心地になっています。

シャンパンに浸して食してみた。 シュワシュワ感が心地よく、その味わい は「ババ」を食べているようで、しっかり シャンパンの味わいが・・・。 パリで活躍した日本人画家藤田嗣治はノートルダム大聖堂で洗礼を受け、ランスにロマネ スク様式の礼拝堂を建立。フレスコ画が描かれた教会の設計と装飾はすべてフジタが手が けたもの。小じんまりとした素敵な礼拝堂です。ステンドグラスも素晴らしい。
13世紀ゴシック建築の最高傑作であり、シャガールの 絵のブルーのステンドグラスでも有名な世界遺産に指定 されているランスのノートルダム大聖堂。圧巻です。  1756年から続く『メゾン・フォッシエ』で売られていた ビスキュイ・ローズ・ド・ランスの歴史やいわれが書かれている本。  今回ご紹介している記事も、ここからの情報を参考にしています。

シャンパンに浸して楽しむお菓子ビスキュイ・ド・ランス
シャンパンを生産するパリ西部のシャンパーニュ地方には、シャンパンに浸して食べる「バラ色のビスキュイ=ビスキュイ・ローズ・ド・ランス」があります。 
子どもたちも、シャンパンは飲めないけれどビスキュイを浸すことだけは許され、ビスキュイをシャンパンに浸して楽しんでいます。
ビスキュイはシャンパンをたっぷり含んみ、崩れる瞬間に急いで口に放り込んで楽しみます。ビスキュイの回りはまだカリッとしていて、内部にはたっぷりのシャンパンを含んでいます。一瞬に味わうふたつのはかないコントラストがたまらないとか。
ビスキュイ・ローズ・ド・ランスは、名前の通りピンク色で長方形。グラスにダンクしやすい設計で、ビスキュイのクズが美しいシャンパングラスに落ちないように、オーブンに2回入れて乾燥焼きしてあります。
ビス=フランス語で2回、キュイ=焼く、という意味でビスケットやビスキュイの語源になっています。余談ですが、フランス人は飲み物に何かを浸して食べることが大好き。朝は大きめのカフェ・オ・レ・ボールに、クロワッサンを浸しながら食べたりしています。ラム・シロップを生地にたっぷりしみ込ませた「ババ」というお菓子もこの発想からきているとか。

300年以上の歴史のあるお菓子
1690年には、すでにビスキュイの記録があります。ルネサンス時期にランスのビスキュイは、パリで評判のお菓子となり、1日で12個入りの箱が7000箱も売れたとか。その後王室御用達のお菓子になり、ランスにはビスキュイトリー(ビスキュイを売る店)が軒をつらねました。今では1756年から続く『メゾン・フォッシエ』を残すのみとなってしまいましたが、今でもお店はビスキュイを求める人で賑わっています。また、最近ではランス名物のお菓子として、どのお菓子屋さんでもFAIT MAISON(自家製)として作られていました。
ピンクに彩られたビスキュイは、フレッシュな卵の香りが口に広がり、舌の上で軽やかに溶ける、見た目とは裏腹に素朴で食べ飽きない味です。

フランス語の辞書にはピンクという言葉がありません
ビスキュイ・ローズ・ド・ランスの名前についている「ローズ」、日本でバラ色というと、深紅のバラの色をイメージしますが、フランスではローズ=バラ色、ピンク色のこととか。ワインのあのロゼのイメージで、同じことです。では赤色は?  ルージュといいます。 ビスキュイ・ローズ・ド・ランスは、まさにピンク色のお菓子ということなんですね。

今回は大森先生の夏のツアーに参加した、わたしどものスタッフが、ツアーの後、ノルマンディー在住のパティシエール本田恵久さんと一緒に、レンタカーを借りてシャンパーニュ地方のお菓子屋さん巡りをしてきました。

ビスキュイ・ロー ズ・ド・ランスの色が何故ピンク色に
なったのか・・・。もともとは白だったのですが、バニラビーンズ を香り付けに入れたところ、黒くなってしまい、あまり奇麗ではなかったので、ピンク色にしたのだそう。今ではエッセンスなので、黒くはならないのですが、一部昔ながらの天然のバニラビーンズを使っているものも販売し ています。かなりバニラ風味が強めで、少しだけ高く売っている。

『メゾン・フォッシエ』のビスキュイ。
6個が繋がっていて、割って食べるようになっている。
『メゾン・フォッシエ』はお店の内部の壁も外観も可愛らしいピンク色。店内には紙箱、缶入り、袋入りetc.いろいろなパッケ
ージで溢れている。

アルティザンならではのやさしい色合いのピンク色のお菓子

ビスキュイ・ド・ランス(または、ビスキュイ・ド・シャンパーニュともいう)の名前を聞くことはありますが、日本のお菓子屋さんで見かけることは少ないと思います。 ランスで見つけたビスキュイたちは鮮やかなピンクから淡いもの、カリカリに焼かれたものから少しふんわりしたものまでさまざま。味はシンプルで、バニラが使われていることもありますが、卵、砂糖、小麦粉、色素以外の素材は余り使われていません。 かつてはワインで色付けされていたとも聞きますが、今では企業秘密とのこと。 なるべく自然のもので色付けしたい!との思いから、わたしたちが使ったのは、ドライのフランボワーズ。色素を使っているもと較べると、鮮やかな色は出ませんが、自然なピンク色に仕上がりました。

ほろりととける味わい

アルティザンでは原料にもこだわり、オーガニックシュガー、岩手県産小麦 「ねばりごし」、オーガニックのバニラビーンズを使用。本場と同じように焼き型に入れて焼き上げます。しっかり泡立てた生地は気泡を十分に含み、シャンパンを浸すとじわじわと吸い込み、口の中でほろりととけてくれます。 やわらか過ぎずかた過ぎず、そのままでも十分おいしくお召し上がりいただけます。 表面はほんのりドライのフランボワーズ粉でお化粧。これがまた味のポイントとなり、フランボワーズの甘酸っぱさと香りがほんのりお口に広がります。

気軽に召し上がっていただきたく・・・

ランスでは、焼きたてパンのように、ビスキュイを1個から売っているお店もあります。その位身近なおやつなのですね。日本ではシャンパンというと少し気取ったイメージがあるかもしれません。 アルティザン・テラでも、ビオでは珍しいシャンパンをいくつかご用意していますが、お好みのスパークリングワインと合わせても十分おいしく召し上がっていただけると思います。 ランスで見かけたような、気取らず素朴だけど少しお洒落にラッピングしてお届けします。 お食事の後に、ゆっくりとシャンパンとビスキュイを頂く・・・、自分へのご褒美に、そんな贅沢な気分に浸るもよし、手軽なお手みやげとして、ちょっとしたプレゼントにもおすすめです。 アルティザン・テラならではのビスキュイ・ド・ランスができました。

ランスで買って来た  ビスキュイ・ド・ランス
レンタカーで走ったシャンパーニュ街道には、たわわに実ったぶどうの畑が広がっています。シャンパンにするために摘み取られるのを待っているかのようでした。また、何と8月の「お砂糖のタルト」で使った、ベルジョワーズのお砂糖のもとになる甜菜の広大な畑も見かけ、思わず車を止めてパチリ!。 今回のビスキュイ・ド・ランスは、ランスの町にあるお菓子屋さんで沢山買い求めた、本場の味をスタッフみんなで食べていますので、かなり現地に近いものができたかな、と・・・。もちろん大森先生のお墨付きをいただいています。

たわわに実ったシャンパンの元となるぶどう シャンパーニュ地方で見かけたお砂糖の原料となる甜菜
ランスの町のケーキ屋さんのアントルメ。1台20〜30ユーロ位。 ランスの町のケーキ屋さんのプチガトー。1つ3ユーロ台で、パリと較べるとやはり安い。

菓子・パン店では1つ
0、35ユーロで売られていた。
「Biscuits Rose
de Reims Maisons」として、
ケーキ屋さんで売られているものは、
12個入の袋入りで4、20〜4、
50ユーロで売られています。

大森由紀子先生プロフィール
お菓子とフランス総菜のお教室を主宰。
フランスの地方の伝統菓子や料理に魅せられ、その文化的背景とともに日本に紹介を続けている。
リッツ・エスコフィエ日本の日本窓口やガレットデ・ロワ・クラブの理事も務める。
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