フランスの新年のお菓子ガレット・デ・ロワ

毎月一品フランス地方菓子をお届けしています。

2013年1月のフランス地方菓子
フランスの新年のお菓子
ガレット・デ・ロワ
ガレット・デ・ロワを食べないと始まらない!?フランスのお正月 クリスマスにブッシ...

ガレット・デ・ロワを食べないと始まらない!?フランスのお正月

クリスマスにブッシュ・ド・ノエルがお菓子屋さんの店頭を飾ったように、フランスのお正月には「ガレット・デ・ロワ」がお店いっぱいに並びます。
そして、1月になると何かにつけ、「ガレット・デ・ロワ」を求めて、家族や友人たちが集まってきて食べたりします。
それほどにフランスではお正月に欠かせない、伝統的なお菓子です。

ガレット・デ・ロワは王様のお菓子

フランス語でGalette(ガレット)はお菓子、Rois(ロワ)は王様という意味で「王様のお菓子」ということです。
ヨーロッパには、宗教にちなんだ祝祭日のお菓子が多く、毎月何かしらのイベントのお菓子が登場します。
1月の行事菓子の代表が「ガレット・デ・ロワ」。このお菓子にまつわるお話をしましょう。

キリストに因んだ伝統的なお菓子

12月25日のクリスマスに、馬小屋で誕生したイエス・キリストのことを聞きつけた、東方を旅する3人の聖人が、1月6日にキリストに謁見し、贈り物を贈って誕生を祝った日に由来する、つまりご公現(神が公に現れる)をお祝いする日が、「公現祭=エピファニー」です。それを記念した、キリスト教のお祭りのお菓子が「ガレット・デ・ロワ」です。


アルザス・ストラスブールの大聖堂には東方3聖人の像がいくつかある。聖母子像と東方3聖人の像。

お菓子の歴史も古くから…

古代ローマ人の新年の農耕のお祭りで、くじ引きで当たりを引いた者は奴隷でも王様になれた、とか。
フランスで1月1日から6日にかけて行っていたお祭りが、このローマ時代のお祭りに似ていたところから5世紀に1月6日がエピファニーと定められ、時代を経るにしたがって、ガレット・デ・ロワを食べて、お祝いすることになっていったようです。
今では、クリスマス後の2番目の日曜日を公現祭に当てています。他の国では、毎年1月6日を公現祭にしているところもあります。

フランスではガレット合戦!?

フランスでは、クリスマスが終わって、公現祭の間の12日間全てをキリスト降誕節としてお祝いをするので、年末から1月にかけてはお菓子屋さんやパン屋さんはガレット合戦、といった感じでウィンドウいっぱいに、ひょうめんいろいろな模様の入ったガレット・デ・ロワが並んでいます。

表面の仕上げの模様は、お菓子屋さんによって様々。
この模様は、伝統的には4種類あります。葉っぱを象った月桂樹、渦巻き状のような模様は、太陽、線状のものは麦の穂、その他はひまわりがある。

お正月に食べるお菓子として、ゲーム感覚で楽しむ…フランスでは子どもたちにも人気

公現祭の1月6日の年始には、家族や友人、仲間たちが集う時期。お菓子を切り分け、中に隠れているたった一つのフェーブに当たった人は、附属についている王冠をかぶって、その日1日王様や女王様になる資格が与えられ、回りの人に命令ができます。
また、1年間その幸運が続くといういわれもあります。フェーブが当たるとその年はいい年、みたいな日本で言う縁起物かもしれませんね。
こんなゲーム感覚のあるガレット・デ・ロワを囲んで、みんなで盛り上がり、家族や友人たちと過ごす楽しいひとときは、ステキな思い出の1ページを飾ることでしょう。
子どもさんから大人までがこの日を楽しみに待ち、最近ではこの日にこだわらず、1月いっぱい、何度でもいろいろな場面で、ガレット・デ・ロワを食べるようになり、伝統を受け継いでいます。

フェーブを集めて…

ガレット・デ・ロワを食べる楽しみのひとつは何といっても中に隠れているフェーブを当てることでしょう。
フェーブは直訳するとそら豆。そら豆は胎児の形をしていて、古代から命のシンボルとして扱われ、結婚や農耕にまつわる祭事の時には、そら豆が振る舞われていたとか。
ガレット・デ・ロワに入れるフェーブも同じ意味が込められていて、当初はそら豆から始まったフェーブが陶器に代わり、キリスト像を象ったものやおくるみに包まれたキリストをはじめ、動物や車、人形など、今ではディズニーのキャラクターまで…、多種多様です。
思い出としてフェーブを集める楽しさもあり、フランスでもそれは見事なコレクターも多く、博物館まであります。最近は日本でも注目され、フェーブ交換会まで催されるようです。

フランスの「ガレット・デ・ロワ」は各地方それぞれ、郷土色豊か

フランスでは、各地方によってさまざまなガレット・デ・ロワがあります。
現在では、最も一般的になっているのが、パリのスタイル(パイ生地でクレームダマンドを包む)ですが、ブリオッシュ生地のものだったり、ワインの産地ボルドーでは、王冠にコニャックと砂糖漬けのレモンのようなもので香り付けしたり、と郷土色たっぷりです。

お菓子屋さんの店頭の「ガレット・デ・ロワ」。普段は焼き菓子もプチガトーが並んでいるショーケースも「ガレット・デ・ロワ」一色。王冠のデザインもいろいろあり楽しい。 プロヴァンス地方で多くみられるブリオッシュタイプ。アルザス地方のお菓子屋さんにもブリオッシュタイプのものや、パンのようなタイプのものが並んでいる。
ミディー・ピレネー地方で買ったもの。見た目はシンプルですが、中にはたっぷりのドライフルーツが入っている。 パリで買ったフェーブたち。

新しい年、今年一年の幸せを願って…

ご家族やお友達とひとつのお菓子を分け合って、お互いの幸せを願う「ガレット・デ・ロワ」。
今年は新たにレシピを工夫し、パイとアーモンドクリームのバランスも変えてさらにおいしくなっています。フランスの楽しい風習に倣って、皆さまもこのお菓子で、新年をお祝いしてみてはいかがでしょうか。

パイ生地、アーモンドクリームをさらにおいしく工夫しました

フランスでは、パイ菓子はお菓子の王女様とも言われています。お口の中でふわっと豊かに広がるバター風味、中のフィリングの味わい、そしてサクサクッと心地よい食感のパイ生地のハーモニーがとてもおいしいお菓子です。
アルティザン・テラのガレット・デ・ロワはパイ生地を何千もの層にした、折り込み回数が多いしっかりしたタイプに仕上げています。
今年は、ガレット・デ・ロワにふさわしいパイ生地を改めて考え、試作を繰り返しました。小麦粉の種類、バターの量を工夫することで、繊細な層ができ、歯切れのよいサクサクとした食感となり、少し時間が経ってもあまり食感は変わりません。また、バターだけでなく、ほのかに小麦の香りが感じられます。パイに包まれたアーモンドクリームは、少しラムをきかせたシンプルなものですが、バターのミルキーな香りと上質なアーモンドの風味がとても豊か。このクリームをパイに忍ばせ、職人技でもある模様づけをします。焼き加減も、小麦の風味を感じられるよう、焦がしすぎない工夫をしています。

表面の仕上げは2種類をご用意。月桂樹の柄はアーモンドクリーム入り。
太陽の模様の中には、アーモンドクリームに栗のうま味を閉じ込めた国産の渋皮栗入りがあります。

大きなサイズのご予約承ります

今回は通常品の直径15cmのアーモンドクリームの他、アーモンドクリームに国産の渋皮栗をちりばめたスペシャルバージョンもご用意しています。
他に、直径約21cmの大きなサイズもご予約で承ります。かなり迫力がありますので、パーティーにもお勧め。
フランスのパティスリーでは、いろいろなサイズや模様のガレット・デ・ロワがショーケースいっぱいに並んでいます。


アルティザン・テラのフェーブは、フランス製のお菓子やパンをモチーフにした20種類をご用意しました。
※ご注意:フェーブの代わりに、中にはアーモンドが入っています。お召し上がりの際にはくれぐれもお気を付けください。

日本のガレット・デ・ロワの会「クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ」

最近では日本でも脚光を浴び、洋菓子店やパン屋さんでもよく見かけるようになってきたガレット・デ・ロワ。本場フランスでも毎年ガレット・デ・ロワのコンテストが開催され、シェフたちが腕と味を競っています。そして、全国パン菓子連盟により、エリゼ宮でフランス大統領への特大ガレット・デ・ロワの献上が新年の恒例行事として、行われています。これに倣って日本でも、シェフや愛好家の方たちが集まり、「クラブ・ドゥ・ガレット・デ・ロワ」という会が作られています。
正統派のガレット・デ・ロワとその文化の普及を中心に、多彩な伝統菓子と文化を楽しむこと、また、伝統菓子の魅力の奥深さを少しでも多くの方に伝えることを目的としています。大森先生はこの会の理事をされています。毎年、1月6日に広尾のフランス大使館で、パーティーを開催し、エリゼ宮に献上されるのと同じサイズの直径1メートルもあるガレット・デ・ロワをフランス大使に贈呈しています。
また、フランスと同じようにコンテストが開催されていて、優勝者の方にはガレット・デ・ロワコンクールのエキシビジョンの参加資格が得られます。一般の方の参加部門もありますので、腕に自信のある方はいかがでしょうか。

月桂樹(アーモンドクリーム入り)15cm 1,890円(税込)
太陽(アーモンドクリームに渋皮栗入り)15cm 1,995円(税込)

【大きなサイズ(要予約)】
月桂樹(アーモンドクリーム入り)21cm 2,940円(税込)
太陽(アーモンドクリームに渋皮栗入り)21cm 3,150円(税込)

ご予約はアルティザン・テラまでお電話(03-5787-8850)下さい。

大森由紀子先生プロフィール
お菓子とフランス総菜のお教室を主宰。
フランスの地方の伝統菓子や料理に魅せられ、その文化的背景とともに日本に紹介を続けている。
リッツ・エスコフィエ日本の日本窓口やガレットデ・ロワ・クラブの理事も務める。
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