毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2019年サンクス・デーのテーマは、「温故知新」。
古き良きお菓子を現代風に、今までの生産者さまとの繋がりを大切に、様々な食材を 使いながら伝統的なお菓子を、ラ・テールらしくアレンジします。 ラ・テールのコンセプト、「物としての食だけではなく、文化としての食を追求」を重ね、 お客さまへの感謝と共にお届けいたします。
6月サンクス・ケーキ Vol.258
シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテとは・・・
「シュヴァルツヴァルト」は「黒い森」、「キルシュ」は「さくらんぼ」で、「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ」は、直訳すれば「黒い森のさくらんぼケーキ」という意味になります。
「シュヴァルツヴァルト」は、ドイツ南西部・バーデン=ヴュルテンベルク州に広がる森林地帯。このケーキは1930年代にドイツ各地に広まり、その後オーストリアやスイスなどでも愛され、フランスでもフォレ・ノワールと呼ばれる、ドイツ伝統菓子です。
シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテは、チョコクリーム、キルシュザーネ(さくらんぼの蒸留酒を合せたクリーム)、中にはチェリーを入れ、雪の上に落ちた葉に見立てた削ったチョコレートと桜桃を飾ったケーキです。
長野県産サワーチェリー「シャッテンモレロ」を使いました
いつもお世話になっておいる長野の農家さんより、貴重なサワーチェリーを送っていただきます。日本で栽培されているさくらんぼの多くは、生食用のスウィートチェリーで、サワーチェリーを栽培されている農家さんは少なく、あまり市場には出回りません。サワーチェリーは、酸味が強く、そのまま食べることはできませんが、甘く煮込んだり、シロップに漬けたりすると、素晴らしい香りと甘酸っぱさが魅力的な果物です。
ドイツ製菓マイスターがつくるサンクス・ケーキ
今回のサンクス・ケーキの開発担当は、ドイツ製菓マイスターの資格をもつバクサ裕子です。シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテは、チョコクリーム、キルシュザーネ、中にはチェリーを入れ、チョコフレークを使ったケーキで、この伝統的な製法を守りつつ、さくらんぼの期の切り株をイメージして仕上げました。中には、チョコスポンジチョコクリーム、サワーチェリージュビレ(サワーチェリーとお砂糖などを煮込んだもの)、キルシュザーネ、チョコレートを絡ませたシュトロイゼル(そぼろ状のサクサクとした生地)、年輪に見立てたサクサクのパイの6層仕立て。サワーチェリージュビレの濃厚なさくらんぼの風味と酸味が、チョコレートの甘さと合さり絶妙な味わいを生み出しています。旬のフレッシュなさくらんぼと、ラングドシャとパートドフリュイのお花を添えて愛らしく仕上げました。
(開発担当:バクサ裕子)
ドイツ製菓マイスターがつくる長野県産サワーチェリーを使ったシュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ。
生地やクリームを6層に仕立てた、こだわりのケーキです。