毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2021年のサンクス・デーのケーキのテーマは、ラ・テールの職人たちが、「今までに出会ったおいしいお菓子」。 担当者の人生観を変えるようなお菓子との出会いとストーリーを、今の自分が表現し、一期一会のケーキに仕立てます。
サンクス・デーに特別仕立てのクリスマスのお皿
サンクス・デーをご存知のお客様は驚かれたかと思いますが、12月は特別な焼き菓子です。
担当は、ドイツ製菓マイスターの資格をもつバクサ裕子。バクサがどうしてもこの時期につくりたかったという、ドイツのアドヴェント期間の伝統的なお菓子「ヴァイナハツテラー(weihnachtsteller)」を12月のサンクス・デーにご用意いたしました。
アドヴェントは、「キリストの到来」を意味します。イエス・キリストの降誕日12月25日までの約4週間のことで、待降節、降臨節と呼ばれ、文字通りキリストの降誕を待ち望む期間で、ドイツの人々にとっては一年で一番大切な行事、クリスマスと共に喜びにあふれる4週間となります。
ドイツのアドヴェント期間の楽しみ方
バクサが10年以上過ごしたドイツでは、クリスマスまでのアドヴェント期間に"クリスマスのお皿"を意味する「ヴァイナハツテラー」を各家庭で用意します。
ヴァイナハツテラーは、甘くてスパイシーなクッキーや焼き菓子、チョコレートやカットしたシュトレンなどをお皿に盛合せて、家に招待した方たちに振る舞ったり、家族で食べたりします。
もちろんお店でも販売されていますが、ドイツの各家庭で代々受け継がれる型やレシピでつくられることが多く、お店で買ったものとつくったものを一緒に並べることもあるようです。
チョコレートやナッツ、オレンジピールなどと、アドヴェント期間には欠かせないスパイスを合せたお菓子は、ドイツの文化に根付いています。
お菓子のご紹介
今回ご用意したヴァイナハツゲベックは6種類。それぞれのお味をご紹介します。
①レープクーヘン
はちみつとスパイスを使った生地に、オレンジピールを合せて焼き上げたお菓子。柔らかな生地なので、形を保つためにバックオブラート(焼き菓子用のオブラート)に生地を絞り焼き上げます。しっとりとした生地でオレンジの香りがお口に広がります。
②アーモンドチュイール
アーモンドをたっぷり使った香ばしい焼き菓子。小麦粉は少量で、サクッとした食感をお楽しみいただけます。
③レープクーヘンプレッツヒェン
はちみつとスパイスを使ったクッキータイプの生地で、様々な型で抜いて焼き上げ、さらにチョコレートやナッツで飾り付けられます。今回は、ミルクチョコレートやビターチョコレートをかけたり、愛らしいくまさんの形にしたり・・・。
④バニラキプフェル
サクサク、ほろほろとした食感のクッキー。軽い食感ですが、バニラの香りが広がります。
⑤プリンテン
ドイツのアーヘンという街で有名なプリンテン。スパイスと甜菜からつくるシロップを使った、噛む程に味わいがある焼き菓子です。今回は、甜菜のシロップではなく黒糖シロップを使っておつくりしました。
⑥ヌスクナッカー
"くるみ割り"の意味のお菓子。ドイツでは、12月になるとバレエのくるみ割り人形が上演されます。くるみではなく、ヘーゼルナッツでおつくりするのがポピュラーで、キャラメルやチョコレートで丸く形を整えた、カリカリとした食感のお菓子です。
ドイツの冬は乾燥しているので、切ったりんごを一緒にお皿に並べ、乾燥させないでしっとり、またはネチッとした食感を楽しむそうです。
12月ののサンクス・デーは、サクッとした食感の楽しいお菓子と、しっとりとした食感のお菓子を一緒にご用意しています。どうぞ早めにお召し上がりくださいませ。
プレゼントにもお勧めの一品です。
(開発担当:バクサ裕子)
ドイツのアドヴェント期間は、クリスマスツリーやリースと共にスパイスの香りに包まれます。ヴァイナハツテラーの香りとクリスマスの準備はいかがでしょうか。