毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日

ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日（サンクス・デー）として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。

2022年のサンクス・ケーキのテーマは素材との「新たな出会い」。
親交のある生産者さまが新たに取り組む素材や、新たに出会う生産者さまの素材を使い、また、サンクス・ケーキの開発に新たな職人が加わり、サンクス・ケーキをおつくりします。毎月心を込めてお客様への感謝の気持ちと共にお届けいたします。

10月サンクス・ケーキ Vol.286

新栗のモンブラン

静岡県掛川産の新栗を贅沢に使いました
今回のサンクス・ケーキはラ・テール洋菓子店シェフの栗原が担当。静岡県の掛川市はお茶の産地で有名ですが、昔は栗の産地でした。農家さんの高齢化などが進み、今でこそ農家さんが減ってしまいましたが、この地域は日照時間も長く、栗の木に適した土壌のため、今でも栗の木が残っています。またお茶の他には柿も有名な地域で、柿の木の横には栗の木が植えてある光景をよく目にします。今回はご縁があって、掛川市の農家さんから大粒の新栗を選別して送っていただくことになりました。甘く、ホクホクとした食感の新栗のおいしさを生かして、人気のモンブランをおつくりしました。

ほんのりとほうじ茶が香ります
新栗だけでも充分おいしいのですが、中に忍ばせた生クリームにほうじ茶を煮出して、ほんのり香りをまとわせました。ほうじ茶も掛川産。ほうじ茶は、お茶の茶葉を焙じてつくられることによって、独特の香ばしさが生まれます。生クリームにほうじ茶を合せることで、モンブランの栗の味わいの後に、深く上品な香りがふんわりと香ります。

新栗を生かしてサンクス・デーにふさわしいモンブランを・・・
ラ・テール洋菓子店では、秋の一番人気はモンブランです。創業当時から必ず和栗の新栗を使ってモンブランをおつくりしてきました。モンブランクリームはできるだけシンプルに、栗のおいしさを生かします。今回のサンクス・ケーキもその考えは変えずに、新栗のおいしさを生かした仕上がりを目指しました。モンブランの底に敷く生地は、パティスリーによって個性が出ます。ラ・テール洋菓子店の和栗のモンブランは、口溶けの良いメレンゲを使いますが、ダコワーズやタルト、パイなど、様々なタイプがあります。今回のサンクス・ケーキでは、パイを選びました。パイは両面をキャラメリゼして、生クリームを合せた軽い口溶けのカスタードクリームや栗のペーストを合せたビスキュイ生地、新栗の甘露煮、ほうじ茶の香りの生クリームを重ね、仕上げに新栗のペーストをたっぷり絞って仕上げました。全体の一体感を大切にしつつ、新栗のおいしさを生かした、サンクス・ケーキにふさわしい1日限りのモンブランです。
（開発担当：栗原　清）