毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日

ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日（サンクス・デー）として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。

2023年のサンクス・ケーキのテーマは、「あるがまま」。ケーキを組み立てる中で必要なソースやジャムなど、月毎の主役となる素材を使うことで、素材が持つ「あるがまま」のおいしさをお楽しみいただけるサンクス・ケーキをおつくりします。

宮崎県都城市から届く「完熟金柑」

3月のサンクス・ケーキは、ラ・テール洋菓子店シェフの池田が担当。
宮崎県都城市の内山金柑園さんから届く、「完熟金柑」のケーキをおつくりします。宮崎県は金柑の生産量が全国の60％以上と日本一の産地。中でも「完熟金柑」は、開花から210日以上もの間樹上で育ち、糖度16度以上、サイズが直径2.8㎝以上のものをいいます。木の上で長期間熟成させることで、金柑のもつ特有の刺激成分が消え、大きく甘味をもった金柑になります。
収穫時期は2月～3月。この美味しさを味わえるのは、２ヶ月余り。
また、内山金柑園さんでは、「月の満ち欠け」を利用する栽培方法を実践されています。月の満ち欠けと、それに合せて変化する海の潮の満ち引きのリズムは虫（害虫）の産卵時期と深く関わり、防除（農作物を病害や虫害から防ぎ、それを駆除すること）に適した時期を見極めるのに有効な方法だと考えられています。この栽培方法により、最低限の農薬のみで栽培できるよう努めていらっしゃいます。

春の訪れを感じるタルトに仕立てました
3月は、春らしい日差しの中に冬の寒さも少し残る季節。そんな季節に相応しいケーキをおつくりしたく、完熟金柑のさわやかでフレッシュな香りとこっくりとした味わいのオーガニックのホワイトチョコレートを合せ、タルトに仕立てました。

完熟金柑のおいしさをご堪能ください
そのまま丸ごと食べても、コンポートでもジャムでもおいしい「完熟金柑」に出会い、試作を繰り返しました。タルト生地は、アーモンドのダマンド生地ではなく、ダマンド生地にカスタードクリームや金柑の自家製ジャムを合せたオリジナルのフランジパーヌをおつくりし、シュクレ生地（クッキー生地）に重ねて焼き上げました。バニラが香るやさしい甘さのオーガニックホワイトチョコレートのクリームで、おいしさの詰まった完熟金柑のコンポートを包み、フレッシュな完熟金柑をたっぷりとあしらいました。
完熟金柑の香り、味わいをご堪能ください。
（開発担当：池田　義行）