毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日

ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日（サンクス・デー）として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。

2023年のサンクス・ケーキのテーマは、「あるがまま」。ケーキを組み立てる中で必要なソースやジャムなど、月毎の主役となる素材を使うことで、素材が持つ「あるがまま」のおいしさをお楽しみいただけるサンクス・ケーキをおつくりします。

6月サンクス・ケーキ Vol.294

桜桃（さくらんぼ）

山梨県・小野さんのさくらんぼ

初夏の風がここちよい季節。初夏の風物詩になっているさくらんぼの季節でもあります。ラ・テール洋菓子店では毎年この季節になると、さくらんぼを使ったケーキが並びます。

ラ・テールが毎年さくらんぼを分けていただいているのは、山梨県南アルプス市の小野さん。小野さんの果樹園では、土には化学肥料を使わず、花が咲いてからは農薬をかけずにさくらんぼを栽培されています。大切に栽培された真っ赤なでツヤツヤのさくらんぼは、甘さだけでなく、ふわ～っと香るさくらんぼの香りと滴る果汁・・・。この味わいは格別です。

小野さんの果樹園では、いろいろな種類のさくらんぼを栽培されていて、今回はサンクス・デーに旬を迎える品種を選んで送っていただきます。品種は当日のお楽しみ！

チェリーパイやチェリーのフランからヒントを得て

今回のサンクス・ケーキは、ベテランパティシエの栗原が担当します。

「さくらんぼの味わいを生かしたケーキを」との想いから、さくらんぼの定番のケーキ「チェリーパイ」と「チェリーのフラン（クラフティ）」からヒントを得て試作をスタート。

どちらのケーキもチェリーを焼き込むケーキです。果皮も果肉もやわらかいさくらんぼは、アメリカンチェリーと異なり、焼きすぎてしまうと繊細な味わいが消えてしまいます。フランは、卵や牛乳を合せた生地を甘くないパイ生地に流し入れて焼き込むケーキですが、さくらんぼに合せてサクサクの食感のフィユタージュ（折り込みパイ）をキャラメリゼしたパイの器をベースにしました。生地は流し入れるのではなく、さくらんぼの果肉感が残る絶妙な焼き加減に仕上げて、重ねることに。フランには、滑らかな食感のクリームチーズも合せてコクのある生地をおつくりしました。

さくらんぼの味わいを引き立ててくれる酸味は、長野県産の赤ルバーブをやわらかく炊き上げたコンフィチュールを重ねることで補いました。

さらに、さくらんぼのお酒「キルシュ」がほんのり香るカスタードクリームとスポンジ生地を忍ばせ、バランスを整えました。

ラ・テール洋菓子店は、25周年を迎えました

2023年5月でラ・テール洋菓子店は、25周年を迎えました。

これもひとえに、お客様、農家さんをはじめ弊店に関わっていただいた皆様の支えがあったからこそと深く感謝しております。

今回のサンクス・ケーキでお世話になる小野さんは、20年以上のお付き合いになる農家さん。さくらんぼが旬を迎える6月のサンクス・ケーキには、せっかくなら小野さんのさくらんぼを使わせていただきたく、お願いすることにしました。

さくらんぼがおいしい季節は短く、とても貴重な果物です。このおいしさをぜひお楽しみください。

（開発担当：栗原　清）