毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクス・ケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2024年のサンクス・ケーキのテーマは、2023年から引き続き「あるがまま」。ケーキを組み立てる中で必要なソースやジャムなど、月毎の主役となる素材を使うことで、素材が持つ「あるがまま」のおいしさをお楽しみいただけるサンクス・ケーキをおつくりします。
長野県山下フルーツ農園さんから届く「なかののきらめき」
今回のサンクス・ケーキは、ベテランパティシエの栗原が担当いたします。以前からお世話になっていた長野県飯綱町の山下フルーツ農園さんから1月に旬を迎えるりんご「なかののきらめき」を送っていただくことにしました。
山下フルーツ農園さんでは、できるだけ農薬に頼らない栽培方法で40品種以上のりんごとその他フルーツを栽培されています。「なかののきらめき」は、王林といろどりの交配から生まれ、2018年に品種登録された比較的新しい品種です。
果皮は黄緑色ですが、何と!切ると果肉は赤色。りんご特有の酸味を持ち、香り高い品種です。
りんごのタルトタタン風に仕立てました
「なかののきらめき」の特徴である酸味と香り、そしてシャキッとした硬めの食感、色鮮やかな赤色を生かす事を考えて、タルトタタン風におつくりしました。
本来タルトタタンは、りんごと砂糖、バターなどを煮詰めて、さらにオーブンでじっくり火を入れて、甘く香ばしいキャラメルのような味わいになります。今回のサンクス・ケーキでは、なかののきらめきが持つおいしさを生かすべく、果肉は、オーガニックシュガーを使い、高温でソテーして、果汁とともに低温のオーブンでじっくり火を入れました。高温でソテーすることでうまみを果肉に閉じ込めることができます。また、あえてバターを使わないことで、りんごのさっぱりとしたおいしさも引き立ち、お砂糖がりんごの香りを吸収し、りんごの香りをお楽しみいただける仕上がりとなりました。
バニラ香るミルフィユ
タルトタタン風のりんごにサクサクのパイとバニラ香るクリームを合せてミルフィユに仕立てました。サクサクのパイは両面をキャラメリゼして、パリッサクッとした食感に。クリームは、バニラや卵、砂糖、牛乳を使ったアングレーズクリームにマスカルポーネを合せて、コクがありバニラの香りがしっかりとするクリームをおつくりしました。
バニラの香りはしますが、甘さは控えめなので、りんごのタルトタタン風を相性が良く、さらにパイの食感とともに贅沢な味わいがお口の中いっぱいに広がります。
新しい年の始まりのサンクス・ケーキ。どうぞお楽しみください。
(開発担当:栗原 清)
長野県産のりんご「なかののきらめき」をタルトタタン風に仕立てて、ミルフォイユをおつくりしました。