毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日

ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日（サンクス・デー）として、その日にしか出ない「サンクス・ケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。

2025年サンクス・ケーキのテーマは「テロワール」。
2023年、2024年のテーマであった「あるがまま」をさらに深めて、農作物が実る土地の土壌や気候などにも注目し、農家さんとの出会いや繋がりを大切にして、素材を生かしたサンクス・ケーキをおつくりしたく、このテーマにしました。

旬のさくらんぼを丸ごとジュレに仕立て、ピスタチオを使ってミルフィユに仕立てました。

山梨県の小野さんから届くさくらんぼ「佐藤錦」

今回のサンクス・ケーキは、ラ・テール洋菓子店パティシエの栗原が担当いたします。

今年もラ・テールが長年お世話になっている山梨県南アルプス市でさくらんぼ農園を営む小野さんのさくらんぼを分けていただきます。

小野さんの農園では、畑にあえて雑草を生やす「草生栽培」でさくらんぼを栽培されています。草生栽培とは、果樹栽培で取り入れられる栽培方法で、雑草を刈り取らないことで、土の中の微生物を多様化させ、豊かな生態系を生み出し、「強い土」をつくる手法なのだそうです。

また、堆肥や米ぬか、魚かすなどの有機質肥料などを投入することで、地力を維持するなど極力農薬を使用しない努力をされています。

おいしいだけでなく、安心して食べられる小野さんのさくらんぼ。酸味が少なく、果汁が多く、ふわっと香る芳醇な香りの佐藤錦をお送りいただきます。

こだわりの製法でおつくりします

さくらんぼのおいしさをそのまま味わっていただきたく、生地やクリームの間のさくらんぼは、果汁を生かした製法で、さくらんぼの粒を丸ごとジュレに仕立てました。透明度の高いジュレは口溶けが良く、さわやかな後味に。

また、生のピスタチオをキャラメルと合せて、自家製のプラリネに仕立て、バタークリームやカスタードクリームなどを合せて、オリジナルのピスタチオのムースリーヌに。

野菜のテリーヌのように、さくらんぼの鮮やかな紅色とピスタチオのコントラストの美しさにこだわりおつくりしました。

ミルフィユ仕立てのケーキ

サクサクのパイ生地、ピスタチオを合せたビスキュイ生地（アーモンドを使ったスポンジ生地）、自家製ピスタチオプラリネのムースリーヌ、さくらんぼのジュレを5層に重ねてミルフィユ仕立てのケーキをおつくりしました。

パイ生地だけではなく、ビスキュイ生地を重ねることで、食感に軽さが出て、ジュレとも一体感があり、バランスよく仕上がります。

ピスタチオのリッチな味わいに、さくらんぼの芳醇な香り、ジュレのさわやかな後味をお楽しみいただける、初夏のケーキです。

（開発担当：栗原清）