毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクス・ケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2025年サンクス・ケーキのテーマは「テロワール」。
2023年、2024年のテーマであった「あるがまま」をさらに深めて、農作物が実る土地の土壌や気候などにも注目し、農家さんとの出会いや繋がりを大切にして、素材を生かしたサンクス・ケーキをおつくりしたく、このテーマにしました。
7月サンクス・ケーキ Vol.318
陽だまりの果実

鹿児島県奄美大島から届く完熟パッションフルーツ
4年前のサンクス・ケーキからお世話になっている鹿児島県・奄美大島の奄なつファームさんより完熟のパッションフルーツを送っていただきます。
パッションフルーツ=酸っぱいというイメージがあるかと思いますが、奄なつファームさんのパッションフルーツは酸味とともに甘みもあり、とにかくいい香り!
大自然が広がる奄美大島で育った完熟のパッションフルーツの味わいを生かした、ケーキに仕立てました。
パッションフルーツのクリームやジュレ
今回のサンクス・ケーキは、パティシエの三木が担当します。
パッションフルーツは、種が多く、小さめの果実のパッションフルーツをひとつ一つ丁寧に裏ごししていくのは、一苦労。これも奄なつファームさんのパッションフルーツのおいしさをそのままお伝えするためです。
レアチーズケーキをおつくりする時に、通常はレモン果汁を加えます。そこをパッションフルーツに置き換えるのではなく、レアチーズの層とパッションクリームの層、またパッションフルーツのジュレをおつくりして、組み合わせました。こうすることで、パッションフルーツの香りや味わいが引き立ち、より濃厚な味わいをお楽しみいただけるからです。
パッションフルーツの果汁を使って、レモンカード(卵黄やバター、砂糖、果実や果皮を炊いてペースト状にしたクリーム)ならぬ、パッションフルーツカードを炊き上げ、ジュレは見た目にも色鮮やかな黄色く、滑らかな食感に仕立てました。
7月のサンクス・ケーキらしく
夏でも食べやすく、パッションフルーツの味わいが引き立つケーキをおつくりしたく、レアチーズケーキをベースとしたケーキに仕立てることにいたしました。
レアチーズケーキの底には、ゲランドの塩を効かせたシュクレ生地(クッキー生地)を砕いて敷き、食感と塩味がアクセントになっています。また、レアチーズムースは、クリームチーズにヨーグルトを加えて、口溶けが良く、さわやかな味わいに仕立て、中に包んだパッションフルーツのクリームの酸味との甘さのバランスが合うよう、調整しました。
仕上げには、パッションフルーツをイメージしたジュレをのせて、見た目、味わいともに瑞々しい仕上がりに。ジュレにあしらった、黒い粒は、本物のパッションフルーツの種です。サクサクッとした食感で、そのままお召し上がりいただけます。
夏のサンクス・ケーキに相応しいように、ひんやり、さっぱりとした食感を意識したパッションフルーツのレアチーズケーキをどうぞお楽しみください。
(開発担当:三木 弘太郎)